つくり方
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米蒸し
酢の原料となる白米を甑(こしき)で蒸します。米酢は白米を、黒米酢はもち米の玄米を蒸します。米蒸しは酢づくりにおいて最も大事な工程。米の吸水の水加減ひとつ違ってもいけない、繊細な作業です。 -
差し湯
玄米をふっくらと炊き上げるため、米蒸しの途中で熱湯を差します。もうもうと立つ湯気の中、次第に蒸し上がっていく米が香気を放ち、辺りを満たします。
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櫂(かい)
ふっくらと蒸し上がった玄米、種酢、那智山の伏流水を木桶に入れ合わせていきます。押したり引いたり、まるで海をたゆたう舟を漕ぐように混ぜていきます。
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アルコール発酵
玄米の皮の部分に含まれる酵母が木桶の中で玄米の糖分をアルコールに変えます。そして、木桶や蔵に住み着く酢酸菌のはたらきによって表面に菌膜が張り、桶の中で少しずつお酢ができていきます。
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静置発酵
冬場は45日、夏場は約70日ほど木桶の中で静置発酵させます。この間定期的に温度を測り、菰(こも)を木桶に着せるなどして約40度を保つように温度調節を行います。冬場は外気温との温度差で対流が起こりやすく発酵がよく進みます。発酵が十分に進んだ酢は熟成用の桶に移し、さらに4〜5ヶ月ほど熟成させます。
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熱処理・瓶詰・検品
十分に熟成が進んだらお酢を瓶詰めする前に加熱処理を施し、瓶詰を行います。
清めた瓶の1本1本に不純物が入っていないか、細心の注意を払って検品を行い、出荷します。